ネタバレするので隠します。
原作は読んでないので、細かい部分はよく分からなかったが、まあ普通の映画だった。
なんで大評判になっているのか分からん。
基本的な枠組みは、巻き込まれ型のミステリーであり、主人公が無実の罪を着せられた
まま、逃亡中に謎を解いていく、というパターンは古典的と言ってもいいだろう。
ヒッチコックの「北北西に進路を取れ」が有名だが、リュック・ベッソンの「フィフス・
エレメント」も似たような話ではなかったろうか?
ネタをバラせば、キリストはマグダラのマリアと夫婦の関係にあり、キリストの死後、
マリアは彼の子供を出産する。
そして、その子孫を守るために秘密結社が作られ、21世紀の今日まで延々と組織が
受け継がれている、という話だ。
なんか、トンデモ本でも読んだような感じもするが、キリスト教徒ではない私から
すれば、そういうこともあったかもね、と思うぐらいだ。
確か、安彦良和が「イエス」というキリストの話を描いていたが、そのときもマグダラの
マリアはキリストとデキていた、という内容だった。

- 作者: 安彦良和
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で、映画ではこの謎を語るのが、巻き込まれたトム・ハンクスではなく、彼が助けを
求めて駆け込んだ大金持ちの学者のイアン・マッケラン(マッケレン?)なのだ。
ここからラスト近くまでは、イアン・マッケランが主役のトム・ハンクスを食って
いる。
さすがに「指輪物語」でガンダルフを演じただけはある。
お爺さん、大活躍なのである。
一方、トム・ハンクスと共に謎を解く女性オードリー・トトゥは、どっかで見たこと
あるなぁ、と思って調べたら「アメリ」の人だったんですね。
なかなか英語がうまい。
普通ならトム・ハンクスと恋に落ちるのだが、この映画の最大の謎のために、そういう
ことはタブーになっている。
だから色気があんまりないのです。ちょっと損してる。
一番、損してるのは主役のトム・ハンクスだろうけど。
暗号解読する場面が、妙にあっさり描かれていて、活躍しているように見えない。
まだ、ジャン・レノの方が活躍していたような気がするよ。
というわけで、もしパリに行くことがあったら、ぜひとも経度ゼロの子午線を標した
真鍮の埋め込みを探してみたいと思った映画でした。
【蛇足】
この映画とは全く関係ないが、A・J・クィネルの「ヴァチカンからの暗殺者」は
カソリックの組織が描かれていて面白い冒険小説だった。
冷戦時に、ヨハネ=パウロ二世が狙撃されるという、実際にあった事件を元に、当時の
東ヨーロッパを舞台にした作品である。
映画化されたらうれしいけど、まあ無理だろうな。
おしまい。