一億三千万人のための小説教室 (岩波新書 新赤版 (786))
- 作者: 高橋源一郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2002/06/20
- メディア: 新書
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そして、最終的に読者が「あなたが、あなただけの、すばらしい小説をつかまえること」
ができるように、20個の鍵を渡してくれます。
ただし、その鍵をもらったからといって、すぐに小説が書けるようになるわけでは
ありません。
作者は、小説を書き始める前の、ことばにならないもやもやした何かを、どうにかして
つかまえるレッスンをします。それが基礎篇の部分です。
カート・ヴォネガットが「パームサンデー」か「ヴォネガット、大いに語る」で言って
いましたが、小説を書くことは、自転車の空気入れで飛行船を膨らますようなものなのだ
そうです。
つまり、誰にでも始められるけれど、最後までやれる人はとても少ない、ということで
しょうか。
実践篇では、小説をボールに例えて、どんなボールが来ても本能的に身体を動かせる
ようにしなさい、と教えてくれます。
小説と遊ぶ、という表現を使っています。
実は、これが最も難しい部分ではないかと、私は思いました。
というのも、私はまず何かを読むときに、意味や内容を求めてしまうからです。
そして、自分がつまんないな、と思ってしまったら、もう二度と読まない。
それじゃいかんということでしょうね。
幸いにも、私は小説を書く能力がないので、文学という地獄に突っ込まないでいられ
ます。
ただ生きているだけでもいいんじゃねーか、と半ば開き直った人生なので、一遍の小説に
なることもなく、ふわっと消えてしまえたら最高であります。
(↑だったらブログなんか書いてんじゃねーよ(笑))