素晴らしき哉、人生!

素晴らしき哉、人生! [DVD]

1946年製作のモノクロ映画である。
それだけで誰も見ようとしないだろう。
新しいものは常に素晴らしく、古いものはそれだけで劣っていると考える人は多いから。


ストーリーは、運の悪い青年が、親父の会社をやむを得ず継いで、自分の会社が潰れそう
になる瀬戸際まで追い詰められるというものだ。しかもクリスマス・イヴに。
こうなったら、自分にかけている生命保険で支払いをするほかない。
いっそ死んでしまった方がいいんじゃないか。
ていうか、こんな苦労ばかりの人生だったら、生まれて来なければよかった。


主人公はここまで落ち込むのである。
そこへショボくれたオッサンの姿をした天使が降りてくる。
そして、もし主人公が生まれてこなかったとしたら、周りの人々はどうなっていたかを
見せてくれる。


我に返った主人公は、自分がいかに素晴らしい人生を送ってきたかを知るのだった。
そして、その夜に奇跡は起こる。


命は君だけのものじゃないよ。
周りの人にも影響を与えているから、軽々しく捨てるなんて言わないで。
そういうメッセージがある映画です。


ま、こっから先は私の愚痴だが、運が悪いといっても主人公の青年は結婚して4人も
子供がいるのである。
しかも、奥さんができた人で、しっかりと夫を支えているのだ。
そりゃあ素晴らしい人生だろう。


監督はフランク・キャプラというイタリア移民のアメリカ人で、米国のデモクラシーを
力強く信じている。
その素朴な信念が、彼の作品を今でも鑑賞に耐えられるものにしているのかもしれない。
なーんて、どっかからパクッてきたような言葉で締めてみました。


この名作DVDが500円で売っている時代ですよ、お客さん。
色もついてないし、CGもない映画だから、とっつきにくいと思うけど、けっこう感動
します。興味のある方は是非。