- 作者: 橋本治
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/11/01
- メディア: 新書
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何のことやら分からないと思う。
私がぼんやりと思っていたのは、経済というのはエッシャーの騙し絵みたいなものだ、
ということだった。
本当はどっかで矛盾してるんだけど、なんとなくそう見えていて、みんながそう思ってる
んだったら、現実もそんなものかな、というイメージ。
実際は、ちゃんと流れがあって、経済というのは動いているものなんだけど、もはや
規模が大きすぎ、複雑すぎるので、エコノミスト以外はよく分からないことになっている。
それは何かおかしいので、ちょっと自分で考えてみようじゃないか、というのがこの本の
スタンスだと思う。
で、フロンティアを失った経済というのは、必要なものを作っているものではなく、
欲望にあわせて動いているものだよね、という鋭い指摘をしている。
このことで思い出すのは「欲しいものが、欲しいわ」という糸井重里のコピーであり、
「他人の欲望を、欲望する」という<動物化するポストモダン>で東浩紀が看破した
言葉である。
だから、ちょっと立ち止まって、欲望を垂れ流す=我慢ができない、というサイテーな
人間にはならないでおこうよ、という話になっているのだった。
いかん。私はすでに欲望を止めるネジがゆるゆるになっている。
我慢できるのはセックスぐらいなものだ。
開放したら、単なる犯罪者だもんな。