Ray

盲目の天才シンガー、レイ・チャールズの伝記映画だ。
私が洋楽を聴くようになったときには、すでに伝説の人になっていて、サザンの「いとしの
エリー」のカバーをしていたな、という印象がある。

映画の完成度は中ぐらいなのだが、なにしろ主演の Jamie Foxx がそっくりで、よく本人の
癖や動作を研究したなぁ、と思う。アカデミー主演男優賞だって受賞するだろうさ。


冒頭からヒットナンバーの連発で、彼がいかにすごいシンガーだったかが分かる。
そして、いかに女関係にだらしなく、コカインに溺れていったのかも。


同様に女にだらしなく、麻薬におぼれていった人の映画で、クリント・イーストウッド
監督の「バード」がある。チャーリー・パーカーの伝記映画で、詩情ある作品だった。


チャーリー・パーカーは若死にしてしまったが、レイ・チャールズは70歳ぐらいまで
生きた。よほど頑強な身体だったんだろう。
映画では、麻薬を克服してからはほとんど語られず、尻切れになっているが、特筆すべき
活躍がなかったのかもしれない。


もうひとり、やはり女にだらしなく、麻薬におぼれていた天才がいる。
マイルス・デイヴィス
彼の伝記映画は誰も作れないのだろうか? 
そっくりな役者がいないのかな。


そうそう、1986年に発売されたビリー・ジョエルのアルバム「The Bridge」の中に、
“Baby Grand”という曲がある。ビリー・ジョエルレイ・チャールズがデュエットして
いる佳作だ。


ビリー・ジョエルは、自分の娘に Alexa Ray Joel とミドルネームにレイ・チャールズ
名前を入れたほどのファンで、レコーディングでは何時間も彼のナンバーを演奏したそう
だ。
その娘も、いまは二十歳前後になっているはずだが、どうしているやら。