誰も知らない

なんで今さら、と思うかもしれないが、いま松山映画祭というのが催されており、この
映画も上映作品に選ばれていたので見てきた。
(調べたら去年の8月に公開されており、今年の3月にはDVDも発売されている)


物語は、母親に育児放棄された4人の子供たちが、都会の電気もガスも水道も止められた
部屋で生き延びていく、という実話をベースにしたものだ。
だが、語り口は淡々としており、悲壮感はない。
それは、母親役のYOUのキャラクターにあるのと、子供たちの演技が劇的でなく、ドキュ
メントみたいに撮影されているからだろう。
(二男の子の演技がリアルにバカなのは必見である)


それでも、きちんとしていた部屋がゴミだらけになっていったり、散髪をしないので
子供たちの髪の毛が伸び放題になっているのが、妙にリアルだった。


しかし、公園で洗濯しているボロボロの服を着た子供がいたら、誰か通報するだろうと
思うのだが、地域の共同体はもはや失われている。
ホームレスと同じ扱いになっているのだね。


私は、彼らの母親がどんな環境で育ってきたのか、とても興味がある。
なにしろ、4人の子供たちは、それぞれ父親が違うのだ。
このだらしなさは普通ではない。


彼女は特殊なのだろうか? 
私は、恋愛依存症の女が、こうやって次々と子供を棄てていく例がたくさんあると思う。
個人的には、そういう女に片っ端から不妊手術を受けさせたい。
ノラ猫を増やさないのと一緒だな。


火垂るの墓」の現代版かなー、と思ったけど、こっちの方が後味が悪い。
結局、あの子たちはどうなったんだろう、と思うとね。