自分が作るカレーにブレイクスルーがない。
会心の一撃が出ないのだ。
自炊する人でカレーが嫌いでなければ、年に10回ぐらいはカレーを
作るだろう。いや、10回は多いか。5、6回ぐらいか。
ともかく、普通にカレーを作ったら、普通のカレーになる。
若いときはいろいろ工夫したものだが、それによって劇的に旨くなる
ということもなかった。
どこかで読んだのだが、家庭用のカレーのルーは主婦が選ぶものだから、
どうしても平均的な味でないと売れないのだそうだ。
その点、レトルトは主に独身男性が買うから、いろいろと冒険できる
のだとか。
つまり、箱に入っている普通のカレーを使っている限り、仕上がりは
平凡なものにしかならない。
だが、平凡なカレーこそが偉大なのだ、ということも分かっている。
うちで食べるカレーは、フツーのカレーだからいいのだ。
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自炊を初めて四半世紀近くなる。
年に5回としても125回カレーを作ったことになる。
だが、いまだにベストな味を出せたことがない。
私が一番好きなのは、ディナーカレーの辛口である。
だが、ついつい安売りのとろけるカレーを買ってしまうことが多い。
逆に、フレーク状のちょっと高めのやつも試したのだが、私の舌には
合わなかったようだ。
食品メーカーには、できればオッサンが好むカレーのルーを作って
いただきたいのだが、そんな体力はないのかもしれない。
せめて、これを入れるとオッサン大喜び、というスパイスを出して
くれないものだろうか。
単純に辛くすればいいというのではなく、もっとこうコクというか
苦味すら感じるような味になればいいのだが……。