日経ビジネスオンラインで連載している、とり・みきの「トリイカ!」で
知ったのだが、竹熊健太郎の妄言が物議を醸していたようだ。
あと10年で、日本のマンガは中国や韓国のマンガに凌駕されると危機感を
抱いているみたいで、その根拠が「私の教え子たちが上手だから」という
ことだ。
どうだろうか?
私はマンガが工業製品ではないと考えているので、外国人の作品が日本の
読者を虜にするとは思えないのだが。
それに、日本のマンガを楽しむには一定のリテラシーが必要で、世界中に
普及させることは不可能だし、そうするべきでもないと思っている。
もっと規模を拡大しないと誰かに消されてしまう(←誰に?)、とガクブル
するのは、ユニクロの柳井正と同じ病気に罹っているだけの話だ。
とり・みきも書いていたように、海外向けにはまずアニメから攻めていった
方がいい。アメコミがたいてい映画になるように、優れたマンガは戦略的に
映像化するべきだと思う。ここに国が補助金を出すのはオッケーなのでは
なかろうか。
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逆に、私は海外のマンガをほとんど読んだことがない。
アメコミの翻訳版は、どこで手軽に手に入れられるのだろうか?
たぶん普通の日本人は、外国の作品を読むチャンスがないと思うのだが、
これは作品が受け入れ難いので、翻訳して出版しても商売にならないから
だろう。
もし竹熊の言うように、中国や韓国のマンガが10年内に日本を席巻すると
いうのなら、すでに面白い作品が普通の日本人にも読めるようになって
いないとおかしいのではないか。
(私は「蒼天航路」ぐらいしかヒット作を思い出せない)
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マンガは笑いと同様にローカルなものであり、多様性を尊重しなければ
ならないと思う。
ガラパゴス化という言葉に怯えるのは、自分が薄っぺらい人間だと白状
しているようなものではないか。