ヤノマミ

NHKスペシャルでアマゾンに住むヤノマミ族の生活が紹介されていた。
かなりグロい映像も入っていたので、ちょうど食事中だった私は食欲を
なくしてしまった。
しかし、そういう映像をきちんと放送したNHKを評価したい。


文化人類学を学んだ人から見ると、ヤノマミ族の取材映像は大したこと
がないかもしれないが、素人の私から見ると衝撃だった。
彼らが野蛮な人ではないということは分かっていたものの、現在の文明
の方がいいなぁ、と考えてしまう。


番組は、狩猟や呪術、出産などをピックアップしていた。
狩猟は何日も熱帯雨林を歩き回って食べ物を探す。
彼らは何でも食べるように見える。サルも食べるのには驚いた。
子供がサルの頭をおやつのようにかじっているのがすごい。


呪術では、シャーマンが悪い精霊を自分の身体に乗り移らせ、病人を治
すところが映っていた。
これはダウンタウンのコントみたいで面白かった。


一番ショックだったのは、出産のところだった。
ヤノマミの女性たちは平均14歳で妊娠して、森の中で赤ちゃんを産む。
しかし、産み立ての赤ちゃんはまだ人間ではなく精霊である。
赤ちゃんを精霊として森に還すか、自分の子供として育てるかは、産ん
だ母親が決める。


番組では、精霊として森に還すことに決めた様子を撮影していた。
赤ちゃんはバナナの葉にくるんで木に吊るし、シロアリに食べさせる。
ほとんど食べられたら、それを燃やして精霊に還す。


日本のような社会だと、単に嬰児殺害&死体遺棄なのだが、ヤノマミの
社会ではそうではない。
文明に毒された私から見ると、赤ちゃんを見殺しにしてしまうことに、
すごく抵抗を感じる。
しかし、人口を抑制して部族の人数と食糧のバランスをとるためには、
こういう方法で調整するのが正しいのだろう。


レヴィ=ストロースは、この映像を見てどのように思うだろうか。
NHKはぜひともフランスにこれを持って行ってほしいものだ。