NHKスペシャル「デザインウォーズ」を見た。
韓国のLGと日本のNECが、それぞれ新しいデザインの携帯電話を開発するのを追ったドキュメン
トだ。
日本での携帯電話市場は世界から隔離されており、これまで機能重視だったそうだが、これから
はデザイン重視になるんだそうだ。
今さら何を言ってんだ、という話であるが、NECでのデザイナー側と技術側の対立を見ていると、
まだまだ技術優位が続きそうだな、と感じた。
それはクルマのデザインを見てもそうで、工業製品の場合はどうしても技術部門が優位に立って、
デザインは二の次になっている。
本来は、その両方が分かる一人の人間がいればいいのだが、専門化が進みすぎるとどちらかを
選ばざるを得ないのだろう。
それにしても、NECのデザイナーはオシャレで、技術職はダサい。見ていておかしいぐらいだ。
この対立はどこからきているんだろうか。
私が思うに、思春期にまじめだったかどうかで、デザイン系に進む人と技術系に進む人に分かれ
るのではないか。
デザイナーというのは、基本的にエキセントリックな人が多いから、日本だと伸び伸びと育たず
に屈折してしまう。
一方、技術者はまじめだから、日本の組織的な風土によくマッチする。だから会社では技術職の
方が優位に立つのではなかろうか、と。
ここで女にモテるかどうか、という変数を代入すると、きれいに説明がつくかもしれないが、単
なる印象にすぎないのでやめておく。
ちなみに、オーディオの世界では、『ハード好きのソフト知らず、ソフト好きのハード知らず』と
いう言葉がある。
ものすごいアンプやスピーカーを持っている人が、意外とショボいライブラリーしか持っていな
かったり、かなりマニアックで幅広い音楽を聴く人が、あれっというぐらい大したことのない音
で満足していたりするのだ。
iPod の大ヒットで、もはや軍配はソフト好きのハード知らずの方に上がってしまったけれど、
多数派がいつも正しいというわけではなかろう。
携帯のデザインに話を戻すと、日本では若い女向けのモデルばかりで話にならない。
しかも、女子高生などは自分でラインストーンとかシールを貼って、勝手にデコレーションして
いるが、LGやNECのデザイナーはそういうことを全く考慮していなかったように見えた。
個人的には、いまの携帯にはグリップ感がないように思う。
PS2のコントローラーのような感じといえば伝わるだろうか。
もちろん、ああいう形の携帯はできないだろうけど、両手で操作するのがスタンダードになって
いるんだとしたら、握ってしっくりくる感じを考慮しても悪くないはずだよ。