いまさら翼といわれても
- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2016/11/30
- メディア: 単行本
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世界観がきちんと出来上がっているので、読者はただ物語の中を進んでいけばよい。
至福の時間だった。
この単行本にはアニメ化された「連峰は晴れているか」が収録されており、千反田えるの
「わたし、気になります!」はこのエピソードだけにしか出てこない。
というよりも、千反田えるが活躍する話がほとんどなく、読者としては心配になる。
できれば彼女を幸せにしてほしいのだが、私が生きている間にその物語は読めるのか
どうか。
私が好きなのは「鏡には映らない」で、折木奉太郎のアンサングヒーロー然とした
振る舞いが格好良かった。
ブチ切れていた鷹栖亜美は、どんな高校生になっているのだろう、と想像してみたが、
たぶん普通の日常を送っているのだろう。敢えて彼女のその後を描かなかったのが
うまいと思う。
ちなみに私も中学校の卒業文集に縦読み(というか縦書きだったから横読み)を
仕込んでいたのだが、たぶん誰にも気づかれずに今に至っている。
犯罪者になったときワイドショーで明かされるかもしれない。
ぼくは明日、昨日のきみとデートする
- 作者: 七月隆文
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2014/08/06
- メディア: 文庫
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たまたま映画の予告編を見ていたからだ。
なんと言えばいいのだろう「陽だまりの彼女」系の小説といえばいいだろうか。
デートムービーの原作の需要というのは途切れないのだなぁ、というか。
リア充が見て、よかったね、と言ってほっこりする映画のため書かれたような
ものだ。
↓
これは本当かどうか分からないが、実写化された「四月は君の嘘」の興行収入が
35億円だったというのにびっくりしている。
予告編を見て、こりゃあかんな、と思ったものが、劇場版「ガルパン」を超えて
いるのだ。
つまり、リア充たちは、面白い映画を見に行くのではなく、話題になっている
映画を見に行くのである。
そして、そのような映画を見るリア充は、原作のマンガなど読む気もなく、ただ
人気のある俳優が動いていれば感動するのだ。
(「四月は君の嘘」の実写版を見てないので、もしかしたらすごい名作だったの
かもしれん。そうだとしたら申し訳ない)
↓
だとしたら、原作はそこそこ感動する切ないストーリーがあればよく、あとは
旬の俳優を押さえて撮影すれば一丁上がりである。
そして宣伝に力を入れたら、リア充は勝手に映画館に入ってくれる。
なんとボロい商売だろうか。
いくら深夜アニメに面白いものがあっても、リア充は見向きもしてくれない。
実写化してようやく話題になるのである。
黒人のリズム・アンド・ブルースを白人が唄って大ヒットさせるようなものか。