- 作者: 島田裕巳
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/01/17
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
もっと手頃なものを、と本屋で見つけたのがこれだ。
さすがに分かりやすく書いてあるものの、やはり「古寺巡礼」は
読んでおくべし、とある。ぬぅ……。
本書では、そもそも仏像とは何か? なぜ日本には1000年以上前の
仏像が残っているのか? 美しい仏像はどうして奈良に集中しており
京都には少ないのか、ということが解説されている。
奈良時代に作られた仏像をいまでも鑑賞できるのは、とても幸運な
ことなのだ、ということがよく分かる。
私も時間とお金があれば、奈良に行ってレンタカーを借りてお寺
めぐりをしたいものだ。
3年ぐらい前に、ふと関西に旅行に行ったときに奈良も訪れて、
東大寺や興福寺なども見たのだが、予備知識がないとうまく
鑑賞できなかった。
この本では、見るべき仏像の紹介はしているが、解説はあっさり
している。「古寺巡礼」のようなフェティッシュな感じはない。
その意味で万人向けなのかもしれない。
↓
廃仏毀釈運動について書いてある章で、奈良県天理市の内山永久寺に
ついて触れている。現在は大きな池しか残っていない。
それだけ規模の大きな寺院だっただけに、優れた仏像を多数要していた。
現存するものには、所蔵は東大寺だが奈良国立博物館に寄託されている
木造の持国天・多聞天像、東京国立博物館、静嘉堂文庫、MOA美術館の3館に
分かれて所蔵されている四天王眷属像、東京の世田谷山観音寺蔵の不動明王
及び八大童子像などがある。四天王眷属像と不動明王像は、運慶の孫の康円の
作とされる。ただし、今あげたものは本尊に当たるものではない。本尊は
阿弥陀如来像で、それは現在行方不明である。それがいかなるものか分から
ないが、寺の規模からするとかなり注目すべき仏像であったに違いない。
とある。