映画の日だし、1000円だったらいいかな、と軽い気持ちで見た。
エンドロールの音楽がスティーヴン・タイラーだったので、制作者は
「アルマゲドン」みたいな後味にしたかったんだろうな、と想像する。
実際、ひとに強くお薦めできる作品ではなかったのだが、まあがんばって
るかなぁ、と褒めてあげたい部分もあった。
【良かったところ】
・コスチュームの質感
アニメの実写版にありがちな全身タイツっぽい仕上がりではなかった。
・キャスティングがはまっていた人がいた
山崎努、西田敏行、柳葉敏郎、緒形直人はうまく演じていたと思う。
(木村拓哉は何をやっても木村拓哉なのでどっちでもいいです)
・VFXが、わりとがんばっていた
波動砲発射の段取りはちゃんとできていたんじゃないかと。
・音楽がアニメのものを編曲しており、よかった
【悪かったところ】
上記以外の全部、と書きたいところだけど、思いつくままに言えば
・ヤマトの動きが軽すぎる
・松本零士っぽいデザインがない
たぶん揉めたんだろうけど、いわゆる「松本メーター」が排除されている。
・黒木メイサ
彼女の良さがいまだに分からない。美人なのだが。
脚本を責めるのは酷だが、アニメを完コピするには詰めが甘いし、新しいヤ
マトを作っているわけではないし、もう少しなんとかならなかったのか。
ガミラス側に俳優を全く使わなかった点は評価するけれど、デスラー総統が
いてこそのヤマトだとも思うし、消化不良な感じがしてならなかった。
また、子供のころは見ていて何の疑問も浮かばなかったが、なんで乗組員は
日本人ばっかりなんだろう? 国連の部隊としてイスカンダルに行くとした
ら、他の国の人は何をやってたんだろうか。
世界観がびっくりするほどドメスティックなのは、70年代の日本の意識の反
映なのかもしれない。
私は小学生のとき映画館に並んで劇場版ヤマトを見た世代なので、どうして
も当時の印象から抜け出せない。
若い人で、まっさらの状態でこの実写版を見た人は、どう思うのか興味があ
る。