6球団

うちの父親はけっこうな歳で、どこからどう見てもお爺さんです。
ところが、本人はまだ若いつもりでいるらしく、年齢と意識のギャップで
傷つくことがあります。


一昨日だったか、私が起きて一階に降りると、いきなり父親が
セリーグ6球団って、巨人・阪神・中日・広島・ヤクルトと、あと何
やった?」
と訊いてきました。


横浜だ、と答えると、あーっそうだった! と便秘が治ったような顔を
します。
わけを聞いてみると、夜中にふとセリーグ6球団の名前を思い出そうと
して、ずっと考えていたのだそうです。


ところが、3時間ぐらい必死になって考えても、5つしか出てこない。
他に調べる手段もないので、私が起きてくるのを待っていたのだそうで
す。


なんだ、そんなことか、と思ったのですが、あれほど野球が好きで、シ
ーズン中は毎日テレビでプロ野球の試合を見ていた人が、基礎的なこと
を思い出せなくなる、というのは恐ろしいことなのかもしれません。


これがきっかけで、ボケが進んだりしたらどうしよう、と私まで怖くな
ってきました。
まだ大丈夫ですが、そのうち食事をいつ食べたのか分からなくなったり
するのかなぁ、と。


親の老いを通して、自分の老いを感じたのであります。