愛しの座敷わらし

先日、朝日新聞に連載されていた荻原浩の「愛しの座敷わらし」が終わった。
私は荻原浩の小説を読むのは初めてだったが、なかなか面白かった。


なんとなくほころび始めていた家族が、東北の大きな一軒家に引っ越し、そこに現れた座敷
わらしがきっかけで、それぞれが抱えていた悩みが解消されていく、という物語だ。


父親、母親、娘、息子、祖母の誰のエピソードかによって文体を変えているのが、最初は読
みにくかったけれど、ちょうどテレビドラマの独白のような感じでだんだん気にならなくな
ってきた。


お話としては古典的なパターンで、特にすごいとは思わなかったけれど、娘が学校のクラス
になじもうとする姿や、父親が会社中心の生活をやめようと思う決意などはよく描けていた。
また、母親の主婦ならではの内面もよかったと思う。


もし、これをテレビドラマにするなら、父親は誰がいいだろう。
連載中の挿絵がよかったから、あれに引きずられてしまって、あまりイメージが湧かない。
たぶん、普通のキャスティングだと、平凡なドラマになってしまうような気がする。


座敷わらしは、なんとなく山田花子という感じなのだが。
年齢が設定と全く違うけど。