マンガ家の和田慎二が亡くなったそうだ。
私はあまり良い読者ではなかったけれど、「スケバン刑事」は
読んでいた。


この世代の男性で、少女マンガでデビューした人は、和田慎二
他に弓月光新谷かおるしか知らないが、和田慎二男性誌に移
行することはなかったのではないか。


彼らに共通するのは、欧米のミステリ小説的な薀蓄がベースにな
っているところだ。
そのため、少女マンガ的な絵でありながら、骨太なドラマを描く
ことができた。


こうした教養は、おそらく吉田秋生に受け継がれたのではないか
と思われる。その下の世代はどうなっているのか知らない。


そういえば「スケバン刑事」の最終エピソードは、真夏の電力ピ
ーク時にわざと停電させて人々を暴徒化させる、というたくらみ
を潰す話ではなかったっけ。
これはいま読んでも面白いはずだ。その先見性に敬意を表する。


謹んで和田慎二さんのご冥福をお祈りいたします。