*[映画]シン・エヴァンゲリオン劇場版

公開日のレイトショーでほぼ満席。
チケットを買うとき、初めて「シニアですか、一般ですか?」と訊かれた。


ネタバレあります。


半分ぐらいしか理解できなかったのだが、テレビシリーズや劇場版で描かれた
ラストをようやくきちんと着地させられたのだな、と思った。


シンジは14歳のままなのに、周りの人が大人になっていたのは、庵野秀明自身が
1996年からずっとエヴァンゲリオンを終わらせられないことの表れのような気が
したのだが、最後はきちんと大人になっていた。
父を殺して大人になる、という通過儀礼を四半世紀にわたってやったのだな、と
思うと感慨がある。
(では視聴者たちは大人になったのか? という疑問が突きつけられるのだが)



前半部分の農村共同生活の描き方は、妙に宮崎駿に寄せていたように思える。
宮さん、こういうのが好きなんでしょ、という声が聞こえてきそうである。
もしかしたら、この作品は庵野秀明から宮崎駿へのラブレターなのかも
しれない。ラブレターというにはもっと重いものが含まれていると思うけど、
私も少し大人になれました、という宣言のような気もする。


最後に庵野秀明の生まれ故郷の宇部市が実写で出てくる。
いろんな意味づけができそうだけれども、一区切り付いたという印象は
みんな持つのではないだろうか。


ところで、碇ゲンドウが化け物みたいになったのはちょっと笑って
しまったのだが、ニアサー後のネルフの予算はどこから出ていたの
だろうか? もう世界を守るとかの大義名分もなくなっていたと
思うのだけど。