アニメ「イエスタデイをうたって」を見終えた。

原作は未読なので、アニメだけを見た人の感想である。

 

途中から、これは「めぞん一刻」と同じ構造の作品だと

分かった。

こういう、ヒロインの愛した人が故人になっている作品は

どのくらいあるのだろうか。

 

そこを踏まえないと、榀子先生がすごくズルい女性に見えて

しまう。非常に難しいキャラクターだが、花澤香菜は見事に

演じていたと思う。

 

私は途中からハルの一途さにほだされてしまい、11話で

ちょっと泣きそうになったのだが、なんと12話で大逆転した

ので驚いた。そういう描き方もあるのか。

(ところで、なぜハルは足の悪いカラスを連れていたのだろう。

なにかのメタファーだろうか?)

 

Wikipediaを見ると、どうもマンガの方はいろいろと違う

みたいなので、読んでみよう。

 

アニメはどのパートも良かったが、谷口淳一郎のキャラクター

デザインは特筆すべきだと思った。

ここ10年で彼がキャラデザした作品にハズレ無しである。

 

 そうだ、書き忘れていた。

連載時期の関係かどうか、この作品にはスマホSNSもまだない。

なので、映画館で待ちぼうけをくらう、みたいなエピソードも

成立するのである。

 

若者たちは、スマホが普及していない時代の恋愛をどう捉える

のだろうか? ちょっと感想を聞いてみたい気がする。

 

もうひとつは就職状況である。

おそらく90年代後半の設定だと思うが、まだ若者には未来に

希望があって、貧乏していても余裕があったように見える。

2000年代は若者がどんどん搾取されていった時代だと言えよう。

 

こういう「めぞん一刻」系の恋愛は、SNSがなく未来に希望が

あった時代でないと描けないのかもしれない。