我々は子供のころにアニメや特撮番組で、悪いことをしては

いけない、という内容を繰り返し見たはずである。

いまもプリキュア仮面ライダーでは、ずるくて卑怯なやつは

悪いキャラクターとして退治されている。

 

この勧善懲悪の教訓はテレビ放送が始まる前から、ラジオドラマ

でも語り継がれていたし、もっと言えば江戸時代の娯楽本でも

そういうものがあった。

 

しかし、子供の頃に倫理観を教え込まれても、大人になって

悪事に走る人は一定数いる。

これはどうしてだろう? 

 

 

大人になると様々なしがらみがあって、正しいことを主張できない

ことがある。組織の利益のためなら、人としてやってはいけない

ことでも実行してしまうだろう。

 

組織を守るために悪いことをするのは、自分がいまの仕事を

失いたくないからだ。

もし他の勤め先がすぐに見つかるなら、悪事を告発するのでは

なかろうか。

 

そんなドライな人は少なくて、いまの生活を変えたくない人が

多いのかもしれない。

 

 

いっそ、子供向けの作品でも、法の盲点を突いて人を出し抜くのが

正しい、みたいな話を作ってみたらどうだろう。

どうせ倫理的なものを見せても正しい大人になるわけではないの

だから、新自由主義的なアニメや特撮を見せたらいい。

ジョージ秋山はそういう発想でマンガを描いていたのかもしれぬ。