新自由主義はマーケットが無限にあることを前提としている。
格差が広がり、一部の富裕層と大部分の貧困層が市場を形成していると
しよう。この場合、国内だけのマーケットだと、貧困層の購買力が低下
する。
経済はモノやサービスがたくさん売れると大きくなり、売れないと縮小
する。これは誰でも認めるであろう。
では、モノやサービスを買うのは誰なのか。
富裕層がいくらがんばっても、マクロ的な経済規模を左右することは
できまい。モノやサービスを買って経済規模を大きくできるのは、
人口の多い層だけである。
新自由主義は、この購買層をどんどん貧しくしている。
これは巡り巡って新自由主義の勝ち組の首を絞めることになると思うの
だが、彼らはどこかにいる購買力のある多くの人が、どんどんモノや
サービスを買っていくと考えている。
実際、グローバル化というのはそういうことで、国境を超えた購買層を
マーケットにしているのだ。だが、この購買層も無限ではない。
世界中の中間層を破壊し、モノやサービスを買う人々を貧困層に落とした
後で、彼らはどこから搾取するつもりなのだろうか?
もちろん、そんな遠い先のことなど考えていない。
美味しんぼのセリフではないが、トンカツをいつでも食べられるぐらいの
生活ができる人を育てなければ、新自由主義経済はいずれ行き詰まる。
適切な再配分をするべきだろう。