私は好きなのだが、視聴率は芳しくないらしい。
制作陣はそうだと分かっていて作っているはずだが、視聴者にとっては
視点がとっちらかってしまうので、腰を落ち着けて見られないのでは
なかろうか。
つまり、金栗四三と古今亭志ん生が同時代人である、という事実を
見つけて、志ん生を仲立ちに、明治末期のオリンピックと戦後の
東京オリンピックを同時に語ろう、という趣向だったはずだ。
ところが視聴者にとっては、語り手の古今亭志ん生が二人登場する。
これが明治と昭和で目まぐるしく入れ替わるので、分からなくなる
人が多いのではなかろうか。
しかも、全体がビートたけし演ずる古今亭志ん生の落語である、と
いう設定なので、ドラマの合間にビートたけしが高座でふにゃふにゃ
喋っていて、流れがぶつ切れになる。
と思うと、全体のナレーションは森山未來なので、もうどうなって
いるのかこんがらがってしまう。
本当は、この明治と昭和の行き来が面白いのだけれど、まずは
金栗四三の物語をじっくりとおさえておくのが一番わかりやすいと
思う。