菅官房長官が東京新聞に対して、国会議員は選挙で選ばれた国民の
代表であるが、新聞記者は民間企業であり国民に選ばれたわけでは
ない、と伝えたそうだ。
記者が国民の代表であるという根拠とは何か?
ちょっと考えてみよう。
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国会で行われているのは、ざっくり言えば、法律を作ることと、
税金の使いみちを話し合うことだろう。
税金はもちろん国民から集めたものだから、国民には何に使うか
知る権利がある。
また、国会議員も主権者である国民の代表なのだから、質問には
国防などの秘匿すべきこと以外は答える義務があるだろう。
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納税者が国会に押しかけていちいち質問をすることは現実的では
ない。誰かがその役割をやる。それが報道機関の人間である。
しかし彼らは国民から選ばれてはいない。
菅官房長官はそこを突いたわけである。
だが、自由がある国では、新聞は何種類か発行されて市場で
選別されている。人々は自分の好みの新聞を買う。売れない
新聞はなくなっていく。
つまり新聞は市場を通じて間接的に国民に選ばれている、と
言えるのではなかろうか。
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新聞には、政府のスピーカーのようなものもあれば、政府を
攻撃するものもあるだろう。言論の自由があれば当然である。
それらの代表が国会議員に対して質問をする場があるのだから、
質問の内容もゆるいものから厳しいものまであるはずだ。
自分が気に入らない質問をされたからといって、その記者を
排除するのは国会議員としていかがなものか。
厳しい質問をうまくさばくのが官房長官の技量というものでは
ないですかね。