深夜アニメ感想。


有頂天家族2】
これは昨年テレ東系で放送された作品だが、BSフジでオンエアされたので
見ることができた。
私は弁天が嫌いだったので、最後に髪を燃やされて墜落したときは胸が
スッとした。
なぜ弁天が嫌いなのかを考えると、自由奔放な女が嫌いだという自らの
男性優位主義に気づかざるを得なかった。


ただ、アニメだけ見ていると弁天と二代目の確執の原因がよく分からないし、
赤玉先生と二代目の確執もよく分からない。
そのあたりは小説を読めということなのだろう。


citrus
女子と女子の恋愛ということを除けば、わりとよくある恋愛ストーリーだった。
スロウスタート」にも、生徒と先生の百合っぽいシチュエーションがあった
けれど、もう少しレズ度が強いというかガチっぽい感じもした。


私のような異性愛者の男性がこうした百合ものを楽しむのは、同じく異性
愛者の女性がBLものを楽しむのと同じだろうと思う。
で、多くの男性はあまりハードなものは敬遠しがちな気がする。女性は
どうだか分からない。


こうしたものとは別に、同性愛者が同性愛者の恋愛を楽しむためのマンガや
小説もある。男性向けだと「薔薇族」とか「さぶ」とかがあると思うが、
女性向けのものは知らない。


もし同性愛者が「citrus」とかBLものの、わりと軽いタッチのものを見ると
どう思うのだろうか。
やはりガチのものと比べると食い足りない感じがするのかどうか。


なぜこういうことを書いたかというと、このアニメの原作が連載されている
コミック百合姫」がどういうニーズに基づいているのか、よく分からない
からだ。読者層が見えないというか。
女性が多いとすれば、同性愛者に支持されているのか、男性が多いとすれば
百合好きの異性愛者に支持されているのか。


同性愛表現のライトからハードまでのグラデーションと、その読者層の研究が
あれば読んでみたいものだ。



魔法使いの嫁
昨年10月から2クールに渡って放送された名作が堂々の完結である。
松竹が出資した深夜アニメでは、いまのところ最高傑作ではあるまいか。


私が感じたテーマは、他人を赦すことで自分も赦す、ということである。
それは最終盤で不死の少年と片方の眼球を交換するところに象徴されている。
殺したいほど憎い相手を抱擁するように赦すことで自分も救われるのである。


主人公がその決断をするために、序盤から中盤にかけてのエピソードが作られて
いる。まるで段階を踏むように、少しづつ主人公は他者を受け入れて自分を好きに
なっていくのである。


原作のマンガではカレッジ篇が始まるそうなので、また何年かしたらアニメ化
してほしい作品だ。