- 作者: 三浦俊彦
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2018/01/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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難しかった。何しろ東大の美学の教授が本気で「エンドレスエイト」を分析
しているのである(グルジエフ時間なんて単語は、本書で初めて知った)。
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「涼宮ハルヒの憂鬱」のアニメは再放送で見た。
なので、すでに「エンドレスエイト」というものがあるという情報は知って
いたので、なるほどこれか、と特に退屈することもなく視聴できた。
リアルタイムだと、本当に何回これが続くのか分からなかったらしいから、
さぞやイライラしただろう。
実際のところ、2000年代以降のアニメ史で「ハルヒ」がどのような評価
なのかはよく分からない。
おそらく本書の著者は、もっと評価されてもいいのでは、と考えていると
思われる。
いま深夜アニメを楽しみに見ている人たちのうち、どのくらいの人が
ハルヒのアニメを全部見ているのだろうか。
見ている人だけが真のオタク、と言うつもりはないのだが、意外と
完走した人は少ないのではなかろうか。
さらに言えば、この本を買うのはその中のごくわずかであろう。
松山でいったい何冊売れたのだろうか。もしかしたら私だけ?
そういう自意識についても、この本で触れられていた。怖い。
↓
たぶん、本書に夢中になれるのは、開成とか灘とかのオタクではなかろうか。
中年が読むのはかなり厳しい。
それでも「エンドレスエイト」だけでこれだけ語れるのはすごいし、逆に
ここまで語らせる「エンドレスエイト」もただの失敗企画ではない。
それに今期話題になった「ポプテピピック」を想起して読むと、さらに
面白いのではないかと思う。
声優のキャスティングにメタ的な意味を持たせる、というのは思い切った
冒険だったけれど、はたして本書の著者はどう評価するのか聞いてみたい。