松山では年末からやっていて、今日は映画の日だったので大街道シネマサンシャインで
見てきた。初回で観客は20人ぐらいだったろうか(なお吹替版のみ)。
Twitterでぬまがさワタリさんが絶賛していて興味を持ったのだが、なにしろ松山は
小規模公開の映画がなかなか入ってこないので、ずっと期待しながら待っていた。
この期待しすぎが良くなかったのか、私にとってはそれほど面白くなかった。
作品としてはとてもよくできていたし、日本のことをよく調べてリスペクトしても
いるなぁ、と感心した。
以下はちょっと意地悪な目線で気になったことを書く。
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最も気になったのは、キャラクターの表情や仕草がどう見てもアメリカ人である
ことだ。日本人はああいう大げさな表情はしない。
例えば、冒頭で海岸に打ち上げられたクボを壇蜜似の母が抱きしめてキスする場面が
あるけれど、中世の日本人が赤ん坊にキスはしないのでは、と思ってしまった。
そんなことは気にならない人がほとんどだろうけど。
あと、折れずの刀はともかく、鎧や兜はあれほど探したのに、ラスボス対決のとき
ほとんど役に立たなかった。あれでは冒険のためのアイテムにすぎない。
それとも、ラスボスに跳ね飛ばされたときに身を守ってくれたのが鎧や兜だったの
だろうか。
それから、三味線がロックスターのギターみたいな役割になっているけど、それも
違和感があった。もう少し地味な楽器なのではないかと。
いや、この作品でも津軽三味線が効果的に使われていて、とても格好いいのは
分かるのだけれど、クボの三味線はアンプにつないであるような感じがして。
最後に、サルとクワガタとクボの三人で船の上で刺し身を食べる場面がある
けれど、あれはもうちょっと上品に食べさせられなかったのだろうか。
せめてクボだけでも箸を使うとか。
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などと気に入らないところを書いたのだが、アニメーション自体は驚異的な
出来で、折り紙を使った大道芸のシーンなどは世界最高レベルだと思う。
私のようなひねくれた人間以外は、きっと素直に感動できるだろう。
吹替版の声優の演技もすごくて、クワガタがピエール瀧だったのには驚いた。
クボを演じた矢島晶子さんも素晴らしかった。
ないものねだりで言えば、三味線で物語を語るところの日本語を七五調で
やってくれたら名作になったのでは、と思う。
グレンラガンの決め台詞みたいなイメージね。