- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2007/11
- メディア: 単行本
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ちょっと文楽の内容に小説のストーリーが寄っていた感じもするが、物語の
盛り上げ方はさすがだった。
辞書編纂にしろ文楽にしろ、一人の人間が追い求めるには大きすぎるけれど、
ひたむきにそれを研鑽していく人、というのが三浦しをんの小説のひとつの
テーマなのだろう。
林業や駅伝もそうかもしれない。
そう考えると、直木賞をとった「まほろ駅前」は別のカテゴリーなのかも
しれない。
恋愛とか子供とかそういうジャンルなのかな。
ただ、まほろ駅前シリーズにはルルというマリリン・モンロー的な女性が登場
しており、この「仏果を得ず」にも同様の人物が出てくる。
おそらくそのキャラクターが出てくるときは、作者がのっているのでは
なかろうか。
別に出てこなければ面白くないというわけではないが。
↓
この小説は2006年に連載されていたそうだが、まさか2012年に橋下徹大阪府
知事が文楽の補助金を凍結するとか言い出すとは夢にも思わなかっただろう。
文楽ファンはこのことを絶対に忘れてはいないと思う。
橋下徹のむちゃくちゃな言いがかりをぐっと飲み込んで、いつかこの恨みを
ぶつけてやろうと虎視眈々と狙っているに違いない。