アニメ「キノの旅」を見ている。
昔からタイトルだけは知っていたけれど、読んだことはなかった。
ライトノベルというよりは、寓話に近い感じがする。


オッサンになった今だと、なるほどね、というスレた感想で終わるの
だが、多感な中学生のころに読むともっと心に刺さるのだろう。



キノや他の旅人たちは、いろんな国を訪れるとき、ほとんどが
門番のいるところを通って中に入っている。
それぞれが独立した城塞都市のようだ。


ということは、国境線を接して隣り合った国というものはなく、
壁で囲まれた国が広いところに点在している、という世界なの
だろうか。


キノがモトラドで前の国から次の国に行く間に走っている草原や
山道は、どこの国のものでもないらしい。
ちょっと不思議な感じがする。



これはおそらく、藤子・F・不二雄の「モジャ公」とか「21エモン」、
松本零士の「銀河鉄道999」と同じ構造をした物語だからだろう。


だから、移動中の空間は誰のものでもないことになっているのだと
思う。


このパターンでヒットを出すのは、よほどネタを工夫しないといけない
はずで、キノの旅が長く読まれているということは、物語が重層的で
深読みができるからだろう。


さすが、全国の学校図書館で例外的に購入されているライトノベルである。