- 作者: 浅羽通明
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2016/02/08
- メディア: 新書
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なぜ現在のようなデモは現実を変えられないのか、が語られており、なるほどと
思うところも多い。
本書は対話形式になっているが、インタビュアーの立場が明らかにされておらず、
普通に考えれば浅羽通明本人なのだろう。
なので、著者が右手と左手で延々とジャンケンをしているのを見せられている
ような気がして、読んでいて気分が悪い。
こういう書き方をして挑発しないとデモをしている人に届かないと思ったのか
どうかは分からないが、対話形式でなくてもよかった気がする。
この本に対する、リベラル側のきちんとした反論を聞いてみたい。
↓
私は安倍政権が、米国で時代遅れになったネオコンと日本の土着的な右翼が
合体したものだと思っているので、早々に退場してほしいと思っている。
が、SEALsのようなデモも、はっきり言って無意味だと思っており、実際に
安保法制は施行された。
国民のほとんどはリベラルの言葉にうんざりしている。
デモをする人は、その現実を受け入れなければならないだろう。
↓
その一方で、「保育園落ちた日本死ね」の匿名ブログは大反響を引き起こし、
実際に政治家が国会で取り上げた。
デモが何万人も集まろうとも何も変化はなかったのに対し、一人が書いた
ブログが現実を少しだけ動かしたのである。
この匿名ブログについては様々な分析があると思うが、私はリベラル臭が
なかったことが勝因のひとつだったのではないかと考えている。
もう少し早く匿名ブログが書かれて話題になっていれば、浅羽通明が必ず
本書で取り上げていただろう。
惜しいことをした。