
- 作者: 小谷野敦
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2016/02/08
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ということはなく、宗教が不要だとか悪だとか断定する気はさらさらない、と
いうことらしい。
たぶんこれはインテリ向けの話であって、キリスト教やイスラム教や仏教の
聖典を一度も読んだことがない者が、なんだ宗教について考えなくてもいい
のか、と思ってはいけないだろう。
教養として一通りは触れたけれども、合わない人は合わないのだ、という話
だと思う。
ただ、最後の方になると、死ぬのが怖いという話題が出てきたりして、猫猫
先生ちょっと大丈夫か、と思わないでもない。
一か所だけ、どうにも腑に落ちないところがあって、霊魂などないし人は死んだら
モノになる、と言っているのだが
私は母が死んだあと、父親が半分くらいボケていたので、法事を自分でやることに
なったが、そのたびにお布施を払うのがバカバカしくなって、自分で出家しようと
思い、母は浄土宗だったから、法然について調べて、その教義の安直さに呆れて
やめてしまったことがある。(p 74)
とある。
法事をやめるという選択肢はなかったのだろうか?
世間の付き合いというものがあるから、勝手に決められないことだとは思うが、
どういう気持で浄土宗の法事に出ていたのだろう。
そこだけが気になった。
↓
私が読んだ小説で、どうにもモヤッとして、これはキリスト教徒でないと理解
できないのか、と思ったのは、スティーブン・キングの「呪われた町」である。

- 作者: スティーヴン・キング,永井淳
- 出版社/メーカー: 集英社
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最終的に吸血鬼と信仰の対決みたいになるのだが、読んでいてもちっとも響いて
こなかった。キングの他の初期の小説は面白かったのに、これだけはなぜ良い
のかが分からない。
あと、いくつかの外国のホラー映画は、やはりキリスト教徒でないと怖くない
のではないかと思う。
もともと好きなジャンルではないので、あまり見ていないのだが。
それでも、「リング」を見たときは、一人暮らしの部屋のテレビが怖かったから、
怨霊のようなものをどこかで信じていたのだろう。
いま同じような日本のホラー映画を見ても、たぶんあまり怖くないと思う。