米国の大統領選予備選の報道が喧しい。
この選挙結果が世界や日本に大きな影響を与えるのは百も承知で言うのだが、
ちょっと過剰ではないか?
なぜなら、ほとんどの日本人は選挙権がなく、ただ傍観するしかないからだ。
百歩譲って本選ならともかく、予備選挙からこんなに時間を割く必要はない。
そもそも、日本以外の普通選挙がある国では、どのくらい米国の大統領選が
報じられているのだろうか?
たぶん日本より詳しく解説している国はなさそうな気がする。
事務的には、誰が大統領になるか決まってから、いろいろ対策を考えても
遅くはないはずだ。
というか、決まらない前からあれこれ気に病んでもしょうがない。
それに、これだけ候補者の名前を連呼していても、次の大統領選のときには
ほぼ忘れているだろう。
オバマ大統領が初当選したときの共和党候補の名前を言える日本人がどれだけ
いるだろうか? 私は忘れていた。
(正解はジョン・マケイン。2012年はミット・ロムニー)
なので、トランプが本当に共和党候補に選ばれても、落選したらすぐに忘れ
られるだろう。
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日経ビジネスオンラインで小田嶋隆が大統領選について書いていたのを読むと、
トランプに人気が集まっているのは、大衆の恨みが噴出してエスタブリッシュ
メントに嫌がらせをしているからではないか、と分析していた。
私も半分ぐらいはそう思うのだが、もっと単純に、米国人がバカになったから
ではないか、とも考えている。
それは、ティーパーティー運動のあたりから感じていたことで、近視眼的な
人間が大声で騒いでいるのを見ると、こういう人はどうやって教育されたの
だろう、と不思議だったのだ。
おそらく中間層が崩壊していくのと同時に、教育の格差も広がっていったの
だろう。
米国は天才が活躍できる社会だが、普通の人が何もしないとどんどんバカに
なっていく社会でもある。
そのバカの比率は昔から一定に抑えられていたと思うが、どこかの時点で
社会に影響が出るぐらいまで増えたのではなかろうか。
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で、おそらく10年から20年後には日本でもそういう現象が起きるだろう、
という小田嶋隆の予測に私も乗っかろうと思う。
いや、もしかするとホリエモンが選挙に出たときがそうだったのかもしれない。
そして、安倍政権や橋下徹を支持する人が一定数いる以上、トランプのような
人はいつ現れてもおかしくはない。
そういう人を利用したい官僚が手ぐすね引いて待っているのだろう。