- 作者: 堺雅人
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/07/10
- メディア: 文庫
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すらすら読めるように書くのは、なかなか技術がいると思うので、きっと何度も推敲
したのではなかろうか。
その技術のひとつとして、漢字を開いているのが分かる。
眠くなるを「ねむくなる」とか、思うを「おもう」というように、なるべくひらがな
にしている。
もちろん、全部ひらがなだと読みにくいので、きちんと計算して漢字とひらがなの
バランスをとっていると思うが、すらすら読んでいるとなかなか気がつかない。
学校の作文だと、習った漢字は使いましょう、と指導されるような気がする。
↓
俳優の仕事は、普通の人が行かないところに行ったり、珍しいものを食べたりする
ことが多いので、日常がすでに面白いはずである。
なので、ネタには困らないと思うが、堺雅人はあまりそういうトピックを選んで
いない。
一貫して、演じるとはどういうことか、という問いを投げかけているような気がする。
おそらく、大スターのように、どうしても目立ってしまうし、本人も目立ちたい役者
ではなく、わりと地味だが芯を食った演技をするタイプだからだろう。
私の印象では、森雅之→小日向文世→堺雅人という系譜の役者になるのではなかろうか。
30代でブレイクした堺雅人と、50歳前でようやく売れた小日向文世とは違うかもしれ
ないが、演技のタイプとしてよく似ていると思う。顔もだが。
どこかで親子の役をやってもらえたら嬉しい。
そのときは、岩城滉一と反町隆史も同時に親子の役だったら面白い。
あと、遠藤憲一と宮迫博之とか。