「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」のスタッフが製作したアニメなので、
最後に泣けることを期待した人にとっては、あれ? と思うような終わり方だった。
でも、現実ってそんなもんだよね、といえばそんなものだ。
ネタバレしないように表現するのは難しいが、あまりひねらなくても良かったのでは、
と思う。
そのせいかどうか分からないが、ローソンでやっていたクリアファイルのキャンペーンも
ひっそりと終わっていた。
協賛した明治製菓の黒歴史とならなければいいのだが。
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終盤は話がヨレたけれども、なぜ、主人公の少女が喋れなくなったのか、という理由を
描いた冒頭の導入は素晴らしかった。
こんな脚本を書ける人はなかなかいないと思う。
そこから高校生がミュージカルをやるように話を落とし込むのが大変だったと思うが、
青春の群像劇としてよくできていた。特に野球部のエースのエピソードが。
その一方で、チアガールの子の話があまり掘り下げられなかったのは尺の問題だろうが、
この子の葛藤をあまり描写していなかったので、ラストになんかモヤモヤするのでは
なかろうか。
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ここからはイチャモンになるかもしれないが、主人公の女の子が喋れなくなったことを
母親は精神的な病気だと思わなかったのだろうか。
娘と心療内科に通うとか、そういう話があった方がよかったような気がする。
まあ、事情が事情だから、筆談でもコミュニケーションをとることができなかった
のかもしれないが、母と娘の関係がそこまで断絶しているのも、ちょっと怖い。
それに中学の三者面談とか高校受験の面接とかをどうやって乗り切ったのか。
埼玉県の公立高校は入試に面接はないのかもしれないが。
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劇場の入り口で劇中ミュージカル「青春の向う脛」のパンフレットをもらった。
この中に歌詞と元のメロディが書いてあって、選曲が渋い。
この選曲も、「サウンド・オブ・ミュージック」ぐらい有名なものは使えなかった
のだろうか。
たぶん、パッケージ・ソフト化するときの版権がややこしいから、無難なものを
選んだのだと推測するが、「オズの魔法使」はオッケーが出たのだろうか。
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劇中ミュージカルのラストに“ベートーベンのピアノ・ソナタ第8番悲愴”と
“Over The Rainbow”のメロディが同時に演奏される。
コード進行が同じだからできるのだろう。
たしか大滝詠一が「ラストダンスは私に」と「Hey Jude」のコード進行が同じ
だという話をしていたと思うが、音楽通はそういう組み合わせをたくさん知って
いるのだろう。
最近はマッシュアップというのかな。
それとは違うが、ベートーベンのピアノ・ソナタ第8番悲愴は、ビリー・ジョエルも
カバーというかメロディを借りてドゥアップにしている。
それでは“This Night”を聴きながらお別れしましょう。