Boaz2015-09-21

ドラマ版「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」を見たですよ。


子役たちは、ゆきあつを除けばみんなハマっていたし、脇を固める大人たちも
小日向文世や吉田羊などベテランだったので安心して見ることができた。


が、肝心の高校生になった超平和バスターズたちは、なんというか、もっさり
していた。キャスティングが間違っていたとしか言いようが無い。
彼らが熱演していただけに、かなり気の毒になった。


ドラマ版しか見てない人は、果たしてこれで感動できたのだろうか。



世の中は視聴する人の多い順に
テレビドラマ>映画>マンガ>小説>深夜アニメ
になっている。
(マンガと小説とアニメは順番が入れ替わることもあるだろう)


そしてテレビドラマしか見ていない視聴者が最も多いから、彼らに合わせて
実写ドラマを製作して見てもらうのである。


だが、彼らは深夜アニメから実写版にしたときに失われるものを永遠に知る
ことがない。
スーパーで買い物をしているときのBGMとオリジナル曲ぐらい違うというのに。



オタク的なものでなくても、歌舞伎や文楽や演劇だって、わりと心理的
ハードルが高いから、劇場まで見に行く人は多くないだろう。


もし、歌舞伎や文楽を実写のテレビドラマにしたらどうなるだろうか。
おそらく様式美が欠落したつまらない作品になると思う。
換骨奪胎して、テレビドラマにしないと、誰も見てはくれないはずだ。


深夜アニメをテレビドラマ化するのも、それと同じようなところがある。
アニメのキャラクターの姿を、なるべく実写で再現しようとするのも、
間違った方向に努力している一例だろう。


歌舞伎役者が隈取をした顔のまま現代劇に出演したらおかしいのと一緒
である。


ドラマ版「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」は、そこまで不自然
ではなかったけれど、アニメのキャラクターに寄せすぎていたように思う。



深夜アニメのキャラクターは受け付けなくて、実写ドラマでしか物語を
楽しめない人に、敢えてアニメを見てくれとは言わないが、自分が損を
していることだけは分かってほしい。


ていうか、ジブリアニメやディズニーアニメは普通に見てるんだから、
深夜アニメも見ろよ、という話である。