Boaz2015-08-12

この人と会うのはこれで最後だろうな、と確信するときは、相手か自分が死地に
赴くときだろう。
戦争とか病床にあるとか、特殊な状況でなければ、そう思うことはない。


普通の状態で、ある人と断絶した場合は、考えてみるとあの時が最後だったんだな、
と事後的にしか知ることができない。



世の中が便利になって、直接会うことはないが、メールをやりとりする関係の場合、
断絶はどのように起こるのだろう。
おそらく、どちらかからの返信がぷっつりとなくなるときではなかろうか。


若者が病的に相手と連絡を続けたがるのは、この喪失感に耐えられないと思って
いるからのような気がする。


だが、耐えようと思えば耐えられるし、それが日常になればどうということはない。
テレビのない生活をするようなものである。



むしろ、あらゆる人に対して、これで最後であろうな、と思って接する方がいいの
ではないか。


これは一期一会のような、そのときできることをしておこうという意味ではなく、
もっとネガティブな感情である。


もっと年をとったら、自然にそうなるのかもしれないが、中年のうちから断絶に
慣れておくのもいいことではなかろうか、と思う。