Boaz2014-12-13

ツイッターでは、リベラル派の人が悲痛な叫び声をあげている。
この選挙で自民党が圧勝したら、言論の自由はなくなり、貧富の格差が
増大する。もしかしたら戦争になるかもしれない、と。


私も半分ぐらいはその危機感に共鳴する。
安倍政権は、日本の未来を非常に危ない方向に持って行こうとしている。
30年後に振り返ったとき、明日の選挙の結果が転轍機の役割を果たした
のだな、と思うだろう。



しかし、多くの人はリベラル派のこういう言い草にうんざりしている。
思春期の子供に対して
「お母さんの言うことを聞いておかないからよ」
と言われているようで、うっせーな、と反発したくなるのだ。


上から目線、という言葉が定着したのも、このような感情が非インテリ層に
広まったからではなかろうか。


実際インテリは、専門知識に関しては「上」なので、上から目線の語り口に
なるのはしょうがないのだけれど、いまや専門知識をネットで手軽に検索
できて、その情報だけでいいと勘違いしている人たちが、インテリどもは
何を偉そうに語ってやがるんだ、とルサンチマンを爆発させているのだ。



もうひとつ、民主党政権の失敗が、リベラル派のイメージを決定的に傷つけ
たのも大きい。


浅間山荘事件が左翼運動の終焉を決定づけたように、東日本大震災原発事故の
処理の不手際が、民主党に任せていてはダメだ、という判断を多くの人に刻印
したのだ。
(もっとも、自民党政権だったとしても震災や原発事故をうまく対処できて
いたかは疑問だが)


民主党の失敗は、自民党ハト派にも影響を及ぼして、いつの間にか米国に
10年遅れたネオコンたちに乗っ取られてしまった。
宏池会にもはや求心力はない。



明日の選挙によって、生活が一変するようなことはない。
しかし今後10年ぐらいに渡って、閉塞感はいっそう強まるだろう。
そのとき、やっぱりリベラル派がよかったと思っても、もう手遅れである。


はたして私が憲法改正国民投票のときまで生きているかは分からないが、
どういう結果になるかできれば見届けたい。