ツイッターでは、リベラル派の人が悲痛な叫び声をあげている。
この選挙で自民党が圧勝したら、言論の自由はなくなり、貧富の格差が
増大する。もしかしたら戦争になるかもしれない、と。
私も半分ぐらいはその危機感に共鳴する。
安倍政権は、日本の未来を非常に危ない方向に持って行こうとしている。
30年後に振り返ったとき、明日の選挙の結果が転轍機の役割を果たした
のだな、と思うだろう。
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しかし、多くの人はリベラル派のこういう言い草にうんざりしている。
思春期の子供に対して
「お母さんの言うことを聞いておかないからよ」
と言われているようで、うっせーな、と反発したくなるのだ。
上から目線、という言葉が定着したのも、このような感情が非インテリ層に
広まったからではなかろうか。
実際インテリは、専門知識に関しては「上」なので、上から目線の語り口に
なるのはしょうがないのだけれど、いまや専門知識をネットで手軽に検索
できて、その情報だけでいいと勘違いしている人たちが、インテリどもは
何を偉そうに語ってやがるんだ、とルサンチマンを爆発させているのだ。
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もうひとつ、民主党政権の失敗が、リベラル派のイメージを決定的に傷つけ
たのも大きい。
浅間山荘事件が左翼運動の終焉を決定づけたように、東日本大震災と原発事故の
処理の不手際が、民主党に任せていてはダメだ、という判断を多くの人に刻印
したのだ。
(もっとも、自民党政権だったとしても震災や原発事故をうまく対処できて
いたかは疑問だが)
民主党の失敗は、自民党のハト派にも影響を及ぼして、いつの間にか米国に
10年遅れたネオコンたちに乗っ取られてしまった。
宏池会にもはや求心力はない。
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明日の選挙によって、生活が一変するようなことはない。
しかし今後10年ぐらいに渡って、閉塞感はいっそう強まるだろう。
そのとき、やっぱりリベラル派がよかったと思っても、もう手遅れである。