「ニッポン社会」入門

「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)

「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)

日本人に「ヨルダンってどんな国?」と質問しても、場所さえ知らない人が
ほとんどだと思う。
中東あたりの国、と答えられたら上出来ではなかろうか。


おそらく、多くの西洋人にとって、日本への認識や興味もその程度しかない、
と思っていいのだろう。本書を読んでそう思った。


最初の方に、やたらとエキゾチックという言葉が使われているのも、その証拠
だろう。英国から見れば、謎に満ちた異文化の国で、上から目線で評価されて
いる。


最後まで読み通せば、おおむねフェアな内容で、日本人論好きな日本人も満足
するのではないだろうか。



本書の p115 に

東京の街並みには「古い」建物がおそろしく欠けているではないか。東京では
戦前で「古い」とされる。イギリスでは二〇世紀に作られたものを「古い」と
形容する人など誰もいない。

とある。


著者のコリン・ジョイスは、オックスフォード大学で古代史と近代史を学んで
いる、と書いてある。


以前、日経ビジネスオンラインで、「137億年の物語」という本を書いたクリスト
ファー・ロイドのインタビューを読んだときにも書いたのだが、英国ではどうやら
東京大空襲を教えていないらしい。


日本に来ても全く知らないままだったのだろうか。



もうひとつ、前からどうしても知りたかったのは、英国には犯罪組織はないのか、
ということだ。
日本にはヤクザがいるし、米国、イタリア、フランス、中国、ロシア、ベトナム
にもマフィア的な犯罪組織が存在している。


英国にも売春や麻薬取引があるが、これは誰が仕切っているのか。
非常に小さい組織が群雄割拠しており、全国的な組織になっていないのだろうか。
それとも、外国人の犯罪組織が英国も縄張りにしているのか。


誰か英国に詳しい日本人がいたら、ぜひレポートしてほしい。