Boaz2014-11-02

朝日新聞で連載していた片岡義男の小説「豆大福と珈琲」が終わった。
全部で27回の短編だった。


私は、新聞小説というのは長いものだとばかり思い込んでいたので、
ちょっと肩透かしを食らった感じだが、長い新聞小説の歴史には短編
小説もたくさんあったのだろう。


で、この小説は翻訳家が自立して運命の女性と同居するまでを描いて
いるのだけれど、大学生のとき翻訳の仕事を初めてから、現在までの
13年間がすっ飛ばされている。


短編小説だから、このくらいの大胆な省略は当たり前なのだろうけど、
21歳から34歳までの間に、恋愛とかいろいろあったはずで、そこが
すっぽり抜けたまま、高校の同級生だった女性と再会して同居する
のが、なんだか腑に落ちないのである。
(ちなみに相手の女性は離婚して7歳の男の子がいる)


こんな感想を持つのは、私があまりにも小説を知らないからだと
思うのだが、片岡義男の小説というのは昔から「リア充ですけど
何か?」みたいな感じなのだろうか。