- 作者: 赤坂真理
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/05/16
- メディア: 新書
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綴ったもので、非常に面白かった。
作家だからか、冒頭と最後が妙に文学的なので戸惑うかもしれないが、
第2章からギアチェンジしたように面白くなっていく。
マンガやテレビドラマなどのサブカルチャーを補助線にして、戦後の
日本がどのように変容していったのかを考えていくところが、ぐいぐい
読めてよかった。
↓
それと、第7章で、作者の家の近所の公園を改修するにあたり、近隣の
住民で予算委員会を作って話し合うエピソードが語られていて、ここ
だけ全体からちょっと浮いた感じがしたのだが、面白かった。
というか、こんな理不尽でカフカ的な委員会が、いまも普通に運営
されているのが恐ろしかった。
本当に議論をした上で結論を出す会議が、はたして日本にどれだけ
あるのだろう、と不安になる。
こういう部分は、いつからか分からないけれども、全く変化して
いないんだな、ということがよく分かったし、民主主義なんて
ものが根付くこともなかろう、と絶望的にもなった。
↓
順番は逆かもしれないが、私はこれを読んでから「東京プリズン」を
読んでみたくなった。
それにしても、「愛と暴力の戦後とその後」というタイトルはどうにか
ならなかったのか。
せっかくの名著が台無しである。