Boaz2013-08-11

NHKBSプレミアムでやっていた立川談志のドラマを見た。
若い時の談志を小出恵介がやるのはミスキャストかと思ったが、
なかなか良かった。中年以降は中山秀征がやるみたいだが、これ
はどうだろう。来週の後編を見て判断したい。


私は古今亭志ん朝が好きで、立川談志は嫌いだ。
もっと言えば、談志の師匠の柳家小さんも嫌いで、談志がああ
なったのも、半ば小さんのせいだと思っている。


そんな談志嫌いの私でも、ドラマは面白く見れた。
破天荒な人生だったからだろうか。
そうではなく、若い時の談志がひたむきに生きていたからだろう。


談志の嫁になる役の真野恵里菜も、昭和っぽい顔立ちだからか、
うまくはまっていた。


それにしても、談志ともあろう芸人が、畳の上で極楽往生できると
思っていたのだろうか。
好き勝手に生きてきたのだから、どんな最後を迎えてもかまわない
覚悟があったと思うが、ドラマからはそれを感じられなかった。



ところで、ドラマの中で、談志が政務次官を辞任してから高座に
上がったときに、予想外の人気で客がいっぱいだったのを見て、
そうか、客は俺の噺を聴きにきたんじゃない、俺を見にきたんだ、
と思う場面がある。


クラシック音楽やジャズもそうだが、落語は既に知っている噺を
聴きに行くものである。
ということは、物語ではなく、演者のキャラクターの方が重要と
いうことになる。


東浩紀の言う、データベース型の消費というのは、案外ずっと
昔から古典芸能で行われていたことなのかもしれない。