日本は1980年代から90年代にかけて(それ以降もだが)、外国で
クルマやビデオデッキを売りまくったわけだが、その販売を担当
した人たちは、今で言うところの“グローバル人材”だったのだ
ろうか?
当時、営業の最前線にいた人たちは、おそらく40歳から50歳ぐらいの
オッサンだったと思うのだが、その人たちが生まれたのは1930年代から
1940年代である。
ということは、ちょうど戦時中あたりの人が多く、英語教育はあまり
熱心ではなかったはずだ。
少なくとも現在と比べても、国民全体の英語力はほとんど変わりがない
と言っていいのではないか。
であれば、グローバル人材と英語力はあまり関係ない、という話に
なりはしないだろうか。
怒涛のように製品を輸出できたのは、むしろ個人の能力という
よりも、国の勢いだったり、売れるものを売れるところに持って
いった、というだけなのではないかと。
日本の産業界は、グローバル人材がいないと騒ぐよりも、自分たちの
経営能力がどうしてここまで劣化したのかを考えるべきだろう。