夜中にBSプレミアムでやっていた、旧ソ連の映画「戦争と平和」を
なんとなく見ていた。長大な小説を全4部で製作しており、今日見た
のは第三部の「1812年」だった。
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クトゥーゾフ将軍が登場してからが面白かったような気がする。
Wikipedia によると
当時のソ連政府の全面的な協力の下、戦闘シーンで使われた馬は1,500頭、
エキストラとスタントは合計12万人に及び、また300人以上の俳優が起用
されている。
特に、1812年のボロジノの戦いを再現したシーンは、実際に戦闘が行なわ
れた場所を用いて撮影されており、撮影に2年、撮影後の編集作業等に1年を
要している。
なお、戦闘シーンの撮影では映画史上初めて遠隔操作カメラが用いられ、
300mの長さのワイヤに添って動くカメラで上空から撮影された。
とある。
たしかに、もう二度とこんな撮影はできまい、というほどの人が右往左往
しており、火薬の量もすごかった。
が、「プライベート・ライアン」を見てしまった現在、45年前の映画は
どうしても劣ったものに思える。
CGの発達というよりも、演出の問題のような気がする。
つまり「戦争と平和」の方は、全体がとっ散らかった印象があり、ある
意味、詩的な感じである。
一方、「プライベート・ライアン」は、ノルマンディー上陸作戦の部隊と
一体化しており、まさに戦場のまっただ中にいるような作りになっている。
もちろん、ナポレオンのロシア遠征と第二次大戦とでは使用する武器も
作戦も全く違うのだが、「戦争と平和」は臨場感が足りないように思う。
演劇を観客席から見ているような感じだ。
莫大な予算をかけたわりには、ちょっと残念な映像になっている。
↓
ところで、現在のロシア映画はどうなっているんだろう?
地方なので、米国以外の外国映画を見るチャンスはほとんどないのだが、
ミニシアター系で上映されているのだろうか。
そのミニシアターもほとんどなくなっているらしいが。
いまのロシアには、もう一度「戦争と平和」を製作するようなお金は
ないのかもしれない。
国の威信をかけた映画は、旧ソ連だからできたのだろう。