- 作者: 小谷野敦
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/11/22
- メディア: 新書
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おそらく世界で最も進んだ恋愛思想史を日本語で読めることを喜びたい。
とはいうものの、あとがきでは
あまり私の言うようなことは、テレビや新聞受けはしないようである。
とはいえ、私が書いているようなことを知っている人は、だいたい五千人、
「恋愛輸入品説」などを知っているのはだいたい多くて十万人と見て、
それ以外の数千万の日本国民は、時代劇が描くように、戦国時代にも今の
ような「恋愛」があったと思っているのだから、どうでもいいような気もする。
とあきらめ顔である。
しかし、古今東西の文献から、時代や階層ごとの恋愛がどのようなもの
だったかを縦横無尽に語る内容はスリリングで面白く、インテリでない
私でもついていくことができたのだから、できるだけ多くの人に読んで
もらいたい。
194ページからのサブカルチャーの話はもっと広げてくれるとありがた
かったが、誰か後継者がフォローしてくれないものだろうか。
トレンディードラマとかラノベやアニメなどの恋愛観にも言及してくれ
たら、もっと多くの読者を獲得できるのではないかと思う。
ひとつ疑問だったのは、p111の
さて、古代ギリシア、日本近世とともに、少年愛の賛美は、必ず女性蔑視を
伴う。これは現代の男性同性愛者でも、女性嫌悪を抱いている者が少なくない
点で同じである。日本では「やおい」と呼ばれる男性同性愛もののライトノベル
や漫画が女に人気があるが、これは日本の女性が女性嫌悪的だからである。
という部分だ。
なぜ日本の女性は女性嫌悪的なのだろうか?
私にも分かるように教えてほしかった。
↓
男なら、会話が成立しない女やヒステリックにわめく女にうんざりした
経験があると思うので、女性嫌悪になるのは分かるが、女もそうなのだ
ろうか。
いや、女が女を厳しい目で評価しあっているのはよく分かる。
そういう人間関係に疲れているだろうということも想像できるのだが、
これは日本だけのことなのだろうか、とも思うのである。