
- 作者: 金水敏
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2003/01/28
- メディア: 単行本
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さっそく買って読んでみた。
名著だった。
よくマンガやゲームなどで博士が登場し、「わしは〜じゃ」などと
喋っているが、現実の博士はこんな喋り方をしない。
このような、現実には存在しないけれども、特定のキャラクターと
結びついた、特徴ある言葉づかいのことを「役割語」と呼んで分析
している。
博士以外にも、お嬢様や田舎者、外国人の役割語が出てきて、それ
ぞれの出典がマンガの有名なキャラクターなので、読んでいて楽し
い。
けれども、ちゃんと言語学の専門家が書いているので、奥が深く
論理的である。
頭のいい高校生か、大学1、2年生におすすめの一冊だ。
装丁をもっとポップにした方が売れたのではないかと思うが、
岩波書店なのでそうもいかなかったのだろう。
もっと噛み砕いて、小中学生向けの教材のネタ本にすることも
できるだろう。それで日本語の文法に興味を持ってもらったら
うれしいと思う。