ヴァーチャル日本語 役割語の謎

ヴァーチャル日本語 役割語の謎 (もっと知りたい!日本語)

ヴァーチャル日本語 役割語の謎 (もっと知りたい!日本語)

猫猫先生の「21世紀の落語入門」(p168)に本書が言及されていたので
さっそく買って読んでみた。
名著だった。


よくマンガやゲームなどで博士が登場し、「わしは〜じゃ」などと
喋っているが、現実の博士はこんな喋り方をしない。


このような、現実には存在しないけれども、特定のキャラクターと
結びついた、特徴ある言葉づかいのことを「役割語」と呼んで分析
している。


博士以外にも、お嬢様や田舎者、外国人の役割語が出てきて、それ
ぞれの出典がマンガの有名なキャラクターなので、読んでいて楽し
い。


けれども、ちゃんと言語学の専門家が書いているので、奥が深く
論理的である。
頭のいい高校生か、大学1、2年生におすすめの一冊だ。


装丁をもっとポップにした方が売れたのではないかと思うが、
岩波書店なのでそうもいかなかったのだろう。


もっと噛み砕いて、小中学生向けの教材のネタ本にすることも
できるだろう。それで日本語の文法に興味を持ってもらったら
うれしいと思う。