東京ラブストーリー

東京ラブストーリー DVD BOX

東京ラブストーリー DVD BOX

BSフジの再放送で、本日最終回。
田舎者の青年が、東京でビッチに振り回される話である。


私は愛媛県出身で、大学から上京してそのまま就職したので、
1991年の放送当時、かなり自分に重ねあわせて見ていた。
当時は原作のマンガも読んでおり、ドラマにもかなり好意的
だったと思う。


オッサンになってからちゃんと見なおしてみると、鈴木保奈美
が演じる赤名リカというキャラクターは、どこが魅力的なんだ
かさっぱり分からない。ただの面倒臭いビッチだった。


携帯電話が若者に普及していない時代のドラマなので、相手
から電話がかかってくるのを自宅でひたすら待つ、という演
出も懐かしいし、カラオケボックスもポピュラーではなかった
みたいで、ラウンジのような場所で大勢で唄っていたのも、
そういえばそうだったな、と。


バブル期の終わりかけのころなので、みんなやたらはしゃいで
いるのも、今見ると面白い。
そして、恋愛と結婚がまだつながっていた時代でもあった。
赤名リカは早すぎたのだ。


フジテレビのドラマの黄金期の作品は、どうも時代に耐えら
れないものが多いようだ。


当時は主題歌の圧力がものすごくて、ドラマの終わりには
イメージ映像と主題歌を流しておけば、あとは視聴者が勝手
に感動してくれる、という作りになっていた。


このドラマでも、嫌になるほど小田和正の“ラブストーリー
は突然に”を聴かされ、スカスカの映像を見せられた。
それだけCDが売れ、音楽業界に力があったのだろう。


この不思議な構造のドラマはいつしか廃れてしまった。
ドラマの音楽は重要だが、ここまで主題歌を表に出して製作
したものは、もう現れないだろう。


まだ日本人の若者がピュアだった時代の貴重な映像なのかも
しれない。