時代劇は勧善懲悪の清々しさが身上で、鬼平犯科帳もまさにその
清涼感を味わうためにあるようなドラマである。
それにしても、中村吉右衛門の加齢がどうしても気になる。67歳。
梶芽衣子もちょっときつかった。尾美としのりは、さすがにまだ
若いので、とぼけた味のある演技を堪能できた。
悪者では、布施博の悪相に驚いた。
トレンディドラマに出演していたときは、モテないけどいい奴、と
いう役どころが多かったのに、鬼平では卑怯な悪役である。
黒川智花も、清純派と思っていたが、いつの間にか女狐が似合うよ
うになっていた。
ドラマが終わり、ジプシー・キングスの名曲に乗って、出演者やス
タッフの字幕が流れてくる。
そこに友だちの名前を発見して、とても嬉しかった。
のだが、いろいろ事情があるらしい。今は素直に喜べない。
まあ、幸せは自分で決めるもので、成功は他人が評価するものだ。
禍福はあざなえる縄のごとし、人生万事塞翁が馬じゃよ。
