ブラジルの流儀

ブラジルの流儀―なぜ「21世紀の主役」なのか (中公新書)

ブラジルの流儀―なぜ「21世紀の主役」なのか (中公新書)

2014年にサッカーのワールドカップを、2016年にオリンピックを開催
する予定のブラジルは、いったいどんな国なのか。
67の「なぜ?」に答える形式で、多面的・多層的にブラジル社会を紹介
している。


私は1994年に一度だけ訪問したことがあるが、この年からレアルプラン
が発表され、通貨が変わったのだった。
持ち帰ったクルゼイロ紙幣は大事にしておこう。


大都市は治安が悪いところもあるが、本書で書いてあるとおり、ブラジ
ル人は基本的にいい人が多かった。
きちんと旅日記をつけておけばよかったのだが、後の祭りである。


オリンピック開催国は、そこから急速に成長するところが多い。
ブラジルも、農業や工業の躍進が著しいし、エンブラエルという小型
飛行機メーカーもシェアを伸ばしている。


あとはソフトパワーである。
ボサノバやサッカーのような、格好いい文化で海外の人々を魅了する
ものがもうひとつ欲しい。


ブラジルは先進国になろうとしているのではなく、別の方向で豊かに
なろうとしていると思う。
そんなふうに期待してしまう力がブラジルにはある。