一流かどうか

私をクビにした塾の社長は、ことあるごとに人を一流か二流かで
区別していた。


では、一流かどうかを決める基準はどこにあるのだろうか? 


もし、社長が一流だと決めているなら、主観で判断していること
になる。
社長は自分のことを一流だと言っていたが、その判断を自分でし
ているとすれば矛盾が生じる。


「私は一流である。なぜなら私が私を一流と決めたからだ」=
「私は一流である。なぜなら私は一流だからだ」
同語反復というやつですね。


では、客観的な基準で決めているとしよう。
まわりの人が私を一流と認めているから、私は一流なのだ、と。


その場合、ひとりでも一流だと認めなければ、彼は一流ではない。
現に私は社長を薄っぺらい詐欺師だと思っている。
よって客観的にも一流だとはいえない。


そもそも、一流か二流かという定義づけのあいまいなもので他人を
判断するのは、視野の狭い幼稚な人間のすることである。


まさか自分が幼稚な男であるとは夢にも思っていないだろうから、
自分の塾のホームページにも一流だ二流だと書くのだろう。


彼に教わる生徒が可哀想でならない。