関西汽船

5月1日のダイヤ改正で、関西汽船は松山→大阪の上り便を停止
するそうです。
これでとうとう松山から関西までの船便がなくなりました。


四国の人間にとって、フェリーというのは懐かしいものです。
決して乗り心地のいいきれいな乗り物ではないのですが、寝て
いる間に到着する便利なものでした。


二等客室は擦り切れた絨毯が敷いてあって、四角くて硬い枕で
ごろ寝します。
横になるとエンジンの音が響いてよく眠れません。
ペンキの臭い、食堂のうどんの出汁の匂い、タバコの煙などが
混じった空気が息苦しかった。


……なんだか悪い思い出のようですが、今となってはすべてが
懐かしいのです。


二等よりワンランク上の個別寝台は快適でした。
狭い二段ベッドに横になりカーテンを閉めると、そこは個室に
なります。
酒をちびちびやりつつ音楽を聴いてのんびりしているうちにウ
トウトする。豊かな気分になれました。


自分でクルマを運転するようになって分かったのですが、長距
離のドライブは疲れます。
フェリーのようなのんびりした乗り物がなくなるのは、本当に
さびしい。