独裁者のポスター

独裁者は、たいてい自分大好きなオッサンだ。
だから独裁者のいる国には、オッサンの顔が巨大なポスターに
なって至るところに貼ってある。


独裁者の鈍感なところは、オッサンの顔を四六時中見ていたら
嫌な気分にならないかな、などと思わないところだ。


もっと自分を怖がって、もっと自分を尊敬するように。
オッサンの巨大な顔や銅像は、そう言っている。


私は若くて可愛い女の子が好きなので、街の至るところに可愛
い女の子の巨大なポスターが貼ってあるとうれしい。
若くて可愛い女の子の顔を四六時中見ていても、私は飽きない。


自由って何か、と尋ねられたら、それは街にオッサンではなく
可愛い女の子のポスターがあることさ、と答えよう。


ただひとつ問題がある。
もし若くて可愛い女の子が独裁者になってしまったらどうしよう? 


数年間はそれでもいいかもしれないが、やがて街が若づくりした
オバサンのポスターで埋め尽くされる前に、何とか彼女を引退に
追い込まなければならない。


若くてイケメンの男の子だったら? 
長期政権だな。
かくて街は昔イケメンだったオッサンの巨大なポスターでいっぱい
になる。


だったらもうネコの写真でも飾ればいいのにね。