先日、全くおぼえのない会社から私の履歴書が返送されてきた。
同封されていた書類を見ると、私が去年勤めていた予備校が閉鎖した
ので、残っていた書類を整理して送り返した、とあった。
その時点で、私は初めてその予備校が潰れたことを知った。
たしか100人近く生徒がいたはずである。
いったい何があったのだろうか。
私は事情を知っているであろう、そこに勤めていた講師に連絡をとっ
た。
その人によると、先月末に社長が自殺したという。
自分の生命保険で借金を清算してほしい、とあったそうだ。
なぜそうなったのかは分からないのだが、とにかく金策に困っており、
今年の春からは、講師の給料は遅れ、教室の家賃も滞納していたらしい。
ヤバいところから金を借りていたのではないか、と推測される。
この予備校は、授業料を半年か1年分前納するシステムだった。
なのにどうしてそんなことになったのだろう。
ちなみに履歴書を返送した会社は、社長の知り合いがやっているとの
ことで、残務整理を引き受けたそうだ。
http://d.hatena.ne.jp/Boaz/20091122
↑こんな事件もあったが、犯人は捕まっていない。
たった3ヶ月しか勤めなかったとはいえ、なんとも後味の悪い話だ。
ここからは私の単なる想像である。
私が連絡をとったという講師は、私と入れ替わりに辞めた人である。
独立して新しい予備校を立ち上げている。
それだけなら別に何の問題もないのだが、実はその人は数学や古文の
講師も引き抜いていった。
そして生徒も20人ぐらい奪っていった。
飼い犬に手を咬まれたのだ。
これが打撃となったことは間違いない。
新しい予備校に移っていった生徒たちが前納していた授業料の未履修
分を返さなければならないので、かなりの金額が流出した。
きっとここからつまずいてしまったのだろう。
確かに無能な社長ではあったが、何も死ぬことはなかった。
合掌。
